やなぎまるの日記

ブログは文字数制限のないTwitterだと思ってる節あります

今季のお気に入りプロ 第1弾(仮)

このブログ開設当初の私が腹抱えて笑いそうなくらい更新頻度が終わってますわ。

それは置いといて今季も主要な大会は一通り終わりましたのでここで今季気に入ったプロをまとめておきたいと思います。

 

【選出基準】

・継続、再演プロは基本除外

1季目の披露回数が極端に少なかったりした場合など独断で例外適用します

・選手一人につきショート、フリーのどちらか

どっちかがいいプロだともう片方も大抵いいプロだったりするんだけどね

 

あとカップル競技はシングル以上に浅いことしか言えないので今回は見送ります...パイポーのFDめっちゃ好きということだけここで言わせて

 

 

「I Love You Kung Fu/Clair de Lune」 宇野昌磨SP

ISU公認SB:107.72(世界選手権)

今季ずっと100点以上のスコアをたたき出していました。プログラムの流れを著しく損なうようなミスが一度もなく、レベルの高い演技をオールウェイズ出してくれました。

夏のアイスショーのお披露目時点でとんでもない完成度でしたが、取り掛かりが早かったというだけではなくとにかく本人の演技スタイルに合致していたのだと思います。トランジションガン詰め系の人ではないですけど、腰や背中を含め全身の関節をフルに活用した、3次元的な広がりのある動きが本当に美しかったです。世界選手権の4F GOE+4.56は永久保存版。アイラッビュアイラッビュ...

 

「Jazz Man」 アヴァ・マリー・ジーグラーSP

ISU公認SB:68.25(4大陸選手権)

NHK杯で完全に沼に落ちましたわ...。大学のサークルでジャズをかじってた身なんですけどこの手の音楽のマダムな声のボーカルってマジで最高なんですよ。パワフルさとダウナーな感じが共存しているというか。なぜそれを17歳にして完全に捉えて演技できるのか...ほんとに17歳???拍に合わせてアクセントを入れつつも全体的には力の抜けた感じ、目線の使い方も含めてグッと引き込まれました。来季アメリカ女子ワールド3枠あるんで出られるといいなぁ...

 

「ətˈæk 0N tάɪtn/omake-pfadlib/Ashes on The Fire」 三浦佳生FS

ISU公認SB:181.02(GPSエスポー)

TVアニメ『進撃の巨人』のサントラより。進撃ファンとして、澤野ファンとして激熱のプロでした。特に1曲目のətˈæk 0N tάɪtnの、ギアを上げていくパートに合わせた4Sが助走のターン含めクリティカルにはまっていました。タイトにここを合わせようとした結果なのかわかりませんがここのジャンプが相当難しそうに見えました。中盤の静かなパートの表現は昨季の美女と野獣の経験を存分に生きてる感じがします。4Tへ向かう助走のクロスもしっかりピアノのフレーズに合わせる細かいこだわりがよき。終盤、この曲は劇中でクライマックスのシーンには必ずと言っていいほど頻繁に使われていましたのでそこでのたたみかけるようなChSqはすさまじい迫力で表現としても完璧です!あと衣装ね。コスプレ感が出すぎないように、でも何の作品なのかはわかるすごくバランスのいいラインのデザインですごくよかった。

 

「Pray/Mechanisms」 上薗恋奈FS

ISU公認SB:132.74(世界ジュニア選手権)

こんなジュニア1年目がいてたまるか。手足が長くスラっとしてるので常に整ったシルエットに見せるのが結構難しいんじゃないかと思うのですが特徴的でキャッチーな振り付けに表情までしっかり追随させて余裕すら感じさせる胆力ぱねえっす。全日本で追加されたStSqもとても自然で拍を確実に捉えつつ着実に踏んでいく様が素晴らしかった。

中学1年生...?私が中学1年生のころとか友達と下ネタでゲラゲラ笑ってたクソガキだったはずなんだが...?

 

「Bolero」 ケヴィン・エイモズFS

ISU公認SB:181.75(GPSアメリカ)

いろんな楽器が順に同じフレーズを演奏して回していく特徴的な構成の曲ですが、各ジャンプに独創的なトランジションを入れてそれをつなげていくことで表現する独特なアプローチでとても印象に残るプログラムでした。エイモズもまた、昌磨くんとはまた違った意味で立体的で上下方向への動きもふんだんに入れられるスケーターなので単調なボレロでも全く飽きが来ず、次は何が来る?というワクワクを感じさせてくれます。極め付きに最後のChSq。シンバル4発にエイモズならではのムーブメントを投げつけてくるのもはや暴力でしょ。そりゃ観客も発狂しますわ。なんなら本人も半分暴走してるし(スケアメ)。GPF以降いろいろと難しい状態に入ってしまったようで、ユーロに至っては披露する機会自体失われてしまったのは惜しい所ですが、最近のインスタで氷上にいい感じに戻ってこれているようには見えるのでゆっくり次の素晴らしい演技を待ちたいと思います。

 

「Young and Beautiful」 青木祐奈SP

ISU公認SB:58.28(GPSNHK杯)

ISU公認のスコアが阿鼻叫喚のNHK杯なのつらたん。非公認にはなりますがチャレンジカップで72.01をマークしています。

3Lz+3Loは正義。セルフコレオ1作目でこのクオリティですわ。抜けるようなスケールの大きい音楽に完全に溶け込む体の使い方に目を奪われました。腕を大きく広げたり、背中や首を反らせたりする所作に一切歪みがなく特に見ていて涙腺にダイレクトアタックしてくるんですわ。現役続行だやったぜ。来季もご自身で振り付けをされるのかはわかりませんがともあれ来季も青木選手の演技が見れるのすごく楽しみです。4大陸全然ワンチャンあると思ってます。PCSもっとちょうだい。

 

「Rain, in Your Black Eyes」 鍵山優真FS

ISU公認SB:203.30(世界選手権)

昨季1回しかやってないんでこれも入れちゃう。その昨季唯一の全日本の時点で「なんだこの頭おかしい(褒めてる)プロは」と思っていたのですが...誇張抜きで最高傑作の一つと言っていいのではないでしょうか。じわじわと温度の上がっていく音楽なので途中のミスがガチできつい。そういう意味では世界選手権は本当に惜しかった...。全日本だったり、ミスが冒頭の一つだけで済んだ4大陸の方が個人的には好みだったかも。ChSqもStSqもスケーティングの伸びやかさとフットワークの細かさを、独創性もしっかり伴った超絶ハイレベルな次元で構築していると思います。あと最後のスピンからのフィニッシュポーズもしっかり合わせられるのがすごい。「ここで終わりますよ」みたいなのがすごい分かりにくいと思うので私だったら毎回ズレて台無しにする自信がある。唯一世界選手権は噛み合いませんでしたが歓声がでかくて聞こえなかったとのことなのでしゃーない。あれを黙って見るのはそれはそれで拷問だし。

 

「Malaguena 」 イリア・マリニンSP

ISU公認SB:106.90(グランプリファイナル)

マリゲーニャ。ついにSPでも4A跳んじゃったよ。何ですかこの人。ジャンプに対して表現だったりスケーティングだったりでよく言われていたマリニンですが、シンプルに脚長くてシルエットが崩れやすいというのが結構大きかったのではないかと思います。ジャンプの技術がしっかり確立されて余裕があるので多彩なターンを交えてさっと跳べてしまうのでうまくハマればしっかりプログラムの流れを助走とかで止めずに維持できるのは相当強い。そういう意味ではトランジション、というかプリパレーション?の引き出しは既にいいものをたくさん持ってそう。高い身体能力によるアクロバティックな技も過度に主張せず適度なバランスで配置されているのでマリニンの強みを存分に生かしたプログラムだと思います。正直初見は「うーん?」という感じだったのですが試合を重ねるごとにどんどん洗練されていきました。本人がジャンプ以外の部分の研鑽へのモチベーションがかなりあるようなのでこれからさらに進化しそう。スピンゴッドとステップゴッドにもなっちゃおうぜ(?)

 

とりあえずパッと思い出せる範囲で。他にもあるはずなので気力が続けば第2弾やります。

ISUチャンピオンシップス代表選考結果(世界ジュニア選手権編+まとめ)

代表選考まとめ、最後は世界ジュニアです。便宜上、「全日本」はシニア大会を指し、全日本ジュニアと区別します。

yanaglmaru.hatenablog.com

yanaglmaru.hatenablog.com

 

【2024年世界ジュニア選手権代表】

まず男子シングル。全日本ジュニア優勝の中村選手、2位の中田選手、4位の垣内選手が選考されました。同大会3位の周藤選手については全日本での練習で負った怪我が骨折という深刻なもので間に合わないということです。シーズン前半苦戦しながらも全日本ジュニアで健闘し、全日本ショートでもいい演技を見せてくれていただけに残念です。中村選手は全日本ジュニア優勝で確定、中田選手も国際大会での活躍及びスコアでほぼ確定状態だったわけで、周藤、垣内、蛯原選手で3枠目を争う状態でした。全日本でも順位的には中村⇒中田⇒垣内⇒蛯原でしたし、割とすんなり決まったのかなという印象です。

続いて女子シングルですが、全日本ジュニア表彰台の3人が選出されました。優勝者の島田選手はもちろんその時点で確定。その島田選手に続いて全日本でも活躍した上薗選手(ジュニア3位)が2枠目。3枠目の議論が難航したようで、実際全日本と全日本ジュニア両方を踏まえるとめちゃくちゃ難しそうでした。結果的に今回は全日本ジュニアまでの内容にウェイトを置いた印象を受けます。ちなみに、昨季世界ジュニア3位の中井選手ですが、候補者発表の段階で明らかに名前が載るはずのところに名前がなかったので事前に辞退していたのかなと思います。

ペアに関しては唯一全日本ジュニアに参加した清水・本田組。清水選手は今後シングルとの兼ね合いをどうするのか存じ上げないのですが、本田選手に関しては今回の全日本で男子シングルとしてのキャリアに区切りをつけたということでここから本格的にペア選手として取り組んでいくことになります。まずはミニマム取得が条件です。

2024/02/03追記:ミニマムスコア獲得達成しました!ジュニア世界選手権がんば!

 

アイスダンスは全日本ジュニアに2組出場していて、優勝した岸本、田村組が派遣されます。補欠の山下・永田組はミニマム取得が条件になります。

 

 

 

ということで代表選考まとめでした。アイスダンスの件はびっくりしましたが、それも含めて、何を重視して決めるか、というのをそれまでの様々な大会を踏まえてそれぞれの種目で考えているのだろうということがわかったので個人的には納得です(納得しない選考というものがそもそも私の感覚だと無に等しいのですが)。ただ、四大陸女子のところで述べたように、チャレンジャーシリーズやその他B級大会の派遣に関してはもう少し中堅層の選手にチャンスを回してもいいのではないかと思います。

四大陸、世界(ジュニア)選手権に派遣される選手の皆様の活躍をお祈りしております。

 

 

追記:仕方ないんだけど友野選手に派遣がないことについて泣いてもええか?

ISUチャンピオンシップス代表選考結果(四大陸選手権編)

前回の世界選手権編に続きまして、今回は四大陸選手権について。

yanaglmaru.hatenablog.com

 

【2024年四大陸選】

まず男子シングル。全日本選手権優勝者の宇野選手は派遣を希望せず、鍵山選手が一番手として入りました。昨季国際大会への出場がなかった鍵山選手としては、世界ランキングのポイントのこともありますし、世界選手権に向けてジャンプ構成を上げていくうえでの試行という意味でも、いろいろと出る意義が大きいはずです。三浦選手と世界選手権の枠を争った山本、佐藤選手もここに選出。佐藤選手は去年の銅メダルという成績を更新できるでしょうか。山本選手は意外にもこれが初の四大陸。去年はシーズン後半に調子を落としてしまいましたが、それを踏まえて今季は戦略を立てていたわけですし、ここでどういう成績を残せるか、というのはかなり重要になりそうです。ちなみに昨季優勝した三浦選手も派遣は希望していたそうですが、連盟としてはミラノ五輪を見据えて戦略的に分けた派遣をしていきたいとのことで今回はこのような形になったようです。

女子シングルも全日本優勝者の坂本選手は派遣を希望せず、千葉選手が世界選手権との重複で、対象年齢の選手が全日本の順位順に並びました。ここに関してはまあ順当かなと思うのですが、四大陸は開催時期的に、「全日本の結果よかったけどミニマムがありません」という状況が発生する可能性が0ではありません。実際、第2補欠に入った青木選手はNHK杯の自国開催枠を勝ち取って奮闘したことでミニマムを得たわけですが、今回僅差とはいえその一つ上の順位の山下選手はミニマムがなく対象外になっています。個人的にはシーズン前半のチャレンジャーシリーズをもう少しGPS派遣組以外にも回してほしいなと思います。例えば今回の内容で言えば、山下、江川、三宅選手あたりは国際大会でも十分評価が得られるレベルの選手のはずです。GPSへ向けた調整試合として最適な時期なのはもちろんわかってはいるのですがそういう扱いをするにはいろいろと限界があるようにも思います。

そしてペア。世界選手権はミニマム取得の条件付きで選出された長岡・森口組ですが、四大陸には間に合いません。こればっかりはもう仕方がないです。むしろNHK杯から全日本までであれだけの成長を見せたことが驚異的です。来年こそ!

そして三浦・木原組はこの四大陸の段階で怪我の回復の見込みありということで選出されました。流石に世界選手権ぶっつけ本番は怖すぎるのでここに出られるのは大きいです。

世界選手権については全日本をやむを得ない事情で欠場した場合でも実績(世界選手権3位以内)がある場合に救済措置があります。ですが、四大陸の選考基準では、シングルは同様なのですがペア・アイスダンスに関してそのような記載がありません。一方で「全日本への参加は必須」とされています。こことの整合性は?というのは少し気になります。ただアイスダンスの世界選手権選考の件もありますし、ここらへんは柔軟に対応していくということなのでしょう。

参考:https://www.skatingjapan.or.jp/common/img/info/20230719_FS_senkokijun.pdf

 

最後にアイスダンスについてですが、全日本表彰台3組全員派遣になります。田中・西山組、吉田・森田組は今季結成ですが12月のチャレンジャーシリーズへの派遣でそれぞれミニマムを達成しています。保留になった世界選手権代表はこの四大陸の結果で、という可能性も(是非はともかく)あるのかな...?

 

 

ISUチャンピオンシップス代表選考結果(世界選手権編)

三日坊主の極みである当ブログですが、全日本があまりにも面白すぎて久しぶりに書くことにしました。といっても全日本の内容を振り返るのは時間がかかりそうなので後に回して(フラグ)、全日本の結果を受けて発表された代表選考結果について、個人的な考えを交えつつ書いていきます。

 

【2024年世界選手権代表】

男女シングルについては、まず優勝者の宇野、坂本選手が確定。2枠目は全日本選手権2位の鍵山、千葉選手がそれぞれそのまま入りました。

3枠目についてですが、まず男子シングルは全日本4位の三浦選手が入りました。3位の山本選手と競ることが予想されていましたが、個人的には「SP、FSともにオールグリーン」の山本選手のスコアと、「SPでスピン1つノーカウント、FSでジャンプにミスあり」の三浦選手のスコアの差が7点ほどというのをどう評価するのかなと思っていました。結果的にシーズン前半の戦績を評価した形になりました。確かに山本選手も会心の演技で全日本3位という結果を得たわけですが、それまでの試合の戦績も含めた総合的な判断では確かに三浦選手に分があるかなといった印象でした。

女子シングルについてもやはりそれまでの実績が評価された吉田選手が入りました。実際全日本までの(=GPF終了時点)戦績はほとんどの項目で坂本選手に次ぐ位置にいたのでここに関しては前評判通り、といったところでしょうか。

続いてペアですが、怪我のため全日本欠場となった三浦・木原組について昨季の世界選手権優勝という実績と、怪我の回復状況を鑑みて選出となりました。長岡・森口組についても、ミニマムスコアの取得が前提ではありますがそこが達成できれば世界選手権出場もかなうということで一安心。具体的にはドイツでのババリアンオープンがターゲットになるようです。全日本での演技、NHK杯からの成長を見る限り十分現実的なラインだと思うのでうまくいくことを祈っております。

そして、ある意味シングルよりも話題になったであろうアイスダンス。保留!?

1月24日の連盟理事会で改めて審議するという異例の事態になりました。

選考状況に照らし合わせると小松原組が固い、という状況のはずでしたが、今大会ではRD、FD、総合でそれぞれ1位のスコアを別々の組がマークしたという状況に。この拮抗具合から現行の選考基準では保留にせざるをえないという結論に至ったようです。後出し...とか、最終選考会とは...とかいろいろ思うところはありますが、それだけ若手カップルの2組の勢いや将来性を連盟側も考慮に入れているということでしょうし、来季以降はシーズン前半の派遣等も含めて、より判断材料が充実した状況になればいいなと思います。

 

 

 

絶叫!グランプリシリーズ(カナダ大会男子シングル)

グランプリシリーズ第2週、スケートカナダの競技が終了しました。いやーすごかった。カナダ大会えぐかった。というわけで早速結果を見てみましょい。

 

【競技結果】

全体的にスコアが控えめで、そもそもPCSがあんま出なかったというのもありますが、それ以上に氷の状態に振り回されてしまったり、そもそも状態が万全でなかったりということでSPから順位があっちこっちで変動しまくることになりました。

ショート終了段階では荒れるとは言わずとも万全ではないかな、というような印象でしたが、フリーの結果を踏まえると、ショートの尺では踏ん張れても要素が増えるフリーでは耐えきれなかった、といった感じに思います。

特にジュンファン選手。ミスがあってもSP2位発進でなんやかんや強いなと思っていたらFSは崩れに崩れなんとFS単体11位、総合9位という結果に。もっとも彼の場合この時期からフルスロットルで行く必要性は(国内競争的な意味で)ほぼないわけですし、4大陸もタイトル獲ってるし、世界選手権に合いさえすれば、というところはあります。

 

1位の山本選手。今回が初優勝です。おめでたい!4回転の安定感はさすがといったところですがフリーでトリプルアクセルに苦戦しました。空中で足が曲がり気味で軸が締まり切ってないように見えました。フリーのトリプルアクセルは昨季から結構大きな課題になっていそうです。伸びまくるスケーティングにダイナミックな動きがプラスされて見ごたえのある演技でした。

次戦は宇野選手、今季絶好調のアダム選手が出場する中国大会。このカナダ大会で優勝して順位ポイントをマックスで獲得できたのはファイナルを見据えたうえで非常に大きいです。

 

2位の三浦選手。ショート4位スタートでしたが極端な点差があったわけでもなく、十分表彰台圏内でした。氷との噛み合いの悪さもあってか4回転ループは回避し、トリプルアクセルからの3連続ジャンプで始まるプランB構成できました。2本目のトリプルアクセルで盛大にはじけ飛んで恐ろしい転倒になりましたがほかに大きなミスはなく、十分まとめきって強さを見せフリー単独で1位になりました。ただ、最後のスピン...直後のジャッジ前アピールフィニッシュに間に合わせるために切り上げたのが響いてVマーク。獲得レベルは4でしたが基礎点的にはレベル2とほぼ同じ。ここが山本選手との勝敗を分ける形になってしまいました。昨季のスケートアメリカでもスピンの失点が響いたのでここは悔しい。

しっかし進撃似合いますねえ...特に最初の圧しかない曲を滑りこなせるのが素晴らしすぎる。

 

3位はイタリアのマッテオ・リッツォ選手。フリー番長さすがの演技でショート8位の出遅れを取り返しました。最近足の怪我があったらしく、そのせいか氷のせいかはわかりませんがステップ系の要素でちょいちょい危なっかしい箇所はありました。

フリーでは割と決まりつつある4回転ループですがショートでの打率が微妙です。やはり失敗できないプレッシャーによるものでしょうか。4回転2本構成のショートプログラム、今季こそ...!

 

日本勢はもう一人、友野選手。得点源のステップで転倒というアクシデントこそあれど3位発進。しかしフリーでは4回転が今一つ、そのあとのジャンプも着氷のコントロールに少し体力を奪われてしまったでしょうか...。思いのほかPCSも出ません。静謐なピアノのフレーズが流れる音楽でジャンプに成否に印象もかなり引っ張られてしまいそうです。しかしステップは圧巻でした。地上波で町田先生が「音色の可視化」とこのプログラムを説明されたそうですがもうそれにつきますよね。ジャパンオープンの時に比べると少し硬かったかな?とはいえ例年に比べ明らかに仕上がりが早いです。

そんな友野選手は総合4位。ファイナルに進むには2戦目は優勝、それも可能な限りハイスコアが必要です。ですがその2戦目が中国大会。山本選手とまた当たるし宇野選手いるしアダム選手いるし。ひええええ...

 

というわけでカナダ大会の簡単な振り返りでした。次戦はフランス大会。2022年の世界選手権ぶりに鍵山選手とマリニン選手が同じ大会に出場します。2人とも総合得点の自己ベストが310点。そんな異次元バトルに非公認とはいえやはり300点のスコアを出した今季絶好調のアダム選手が絡んでいきそうです。

開幕!グランプリシリーズ(アメリカ大会男子シングル)

JGPSの記事がまさかの1回で終了。もうカナダ大会が始まろうかというタイミングでスケアメの振り返り。突っ込みどころたくさんだけど気にせず図太く更新していきます。

ということでアメリカ大会。昨季は成否は置いといて6種類のジャンプ全てが4回転で試行され、4Aの成功で観客が発狂してなかなかに壮絶な大会に。今季も観客大盛り上がりのド派手な大会でしたね。あとなんか衣装がはだけている人多くね?

 

【競技結果】

ということでマリニン選手が現ルール(2018年改正以降)史上5人目の300点越えスコアをたたき出しました。フリー単独、総合それぞれが史上4位のPBスコアになります。えらいこっちゃ。4回転アクセルは封印ですが結果的に余裕が出たのか回転不足もなくきれいに点が入りました。後半に4Lz+1Eu+3S、4T+3T、3Lz+3Aやっといて余裕が出たとはこれいかに。

ちなみにですが今回コレオシークエンスが最後のジャンプ前の部分で判定されていましたが本人の意図としてはその後のツイストを含むところだと思うのですが...どうなんでしょう?これはルール上あそこがコレオ判定でも仕方ないっちゃ仕方ないですが何かしら対応するでしょうか?

2位に入ったエイモズ選手、すげえボレロかましてきました。同じメロディーをいろんな楽器で繰り返しながら盛り上げていく構成が振付やジャンプなどでうまく表現されていたと思います。最後のコレオシークエンスではトロンボーンのヤケクソグリッサンドとシンバル4発にひとつひとつ派手な動きをはめてきて爽快感すごかったです。

3位が佐藤選手。相変わらず回転速度がバグり散らかしてます。ジャンプ以外の部分も頑張ろうというのは間違いなく昨季よりも強く感じますし、SPでPCSが40点台に乗ったのは前進だと思います。一方でFSでレベル2が常連なのはやはり気になります。FSではスピンとステップにマイナス評価を付けたジャッジもいます。

 

そのほか気になった選手といえばやはりリトヴィンツェフ選手ですかね。編曲があまりにも気になる。FSのコンセプトがよく分からん...SPに至ってはライオンキングなのにトラ柄衣装だし...しかもズンドコしだしたと思ったら最後のほうだけいきなり元に戻るし...どういうこと...。

 

佐藤選手のほかに日本からは壺井選手と吉岡選手が出場。2人ともFSでの3回転ジャンプの崩れが痛く響いてしまいました。一方で決まった4回転の質はかなりよかったです。それから特に吉岡選手はスピンやスケーティングの強化の成果がしっかり出ていましたよね。スピンは減点とかもちょこちょこ目にしていたのでここの成長はデカいです。今回苦戦した壺井選手、NHK杯自国枠を勝ち取っていますのでその実力をしっかりと発揮できますように!

 

 

 

ジュニアグランプリシリーズ(バンコク編①)

採用試験やらなんやらで忙しかったのですがようやく落ち着きました。気づいたら前の投稿から1か月以上経っとるのか...。あ、ちなみに試験の内容は最悪でした。

 

というわけでTHE ICEだったり国内大会の記事を各タイミングを絶妙に逃して迎えたJGPS。アサインはこんな感じですね。

というわけで初戦はタイ。...タイ!?どうやらショッピングモール内のリンクということだそうで。製氷中には謎のDJタイム。なかなか目新しい光景でした。

あとJGPSはシニアではあんまり見ない国からの選手も出てくるので楽しいですね。小さい頃、「いろんな国(の旗)が出るから楽しい」とかいう謎な理由で世界陸上を熱心に見ていたのを思い出します。

あと今回ライストがもう止まりまくってもう大変。見れていない選手も多いので今回は日本代表4名に絞ろうかと思います。アーカイブの方で確認して、海外選手についてはフリーの振り返りの方でお話しできればと思います。

 

【男子シングル】

中田 璃士 75.28(3位)

なんか見るたびに背が伸びてる気がする。冒頭3A、ダブルかなと思うレベルで余裕のあるジャンプですごくよかったです。続くルッツ、アテンションつきましたがそれでもギリ加点に収めれるレベルの質の高さ。

スケートの伸びが足りなくて勢いのある動きがややそがれて止まりがちだったのがちょっと気になりました。あと伸びた身長、特に脚を少し持て余しているような気もしました。まあここら辺はこの時期の選手なので致し方なしですね。1位との差は2点程度なのでフリーでいくらでも結果は変わりそう。ファイト!!

 

周藤 集 58.29(12位)

なかなかジャンプがはまらぬ...ですがそこに振り回されないレベルで優れた表現力があります。...でもPRが一番低いんかい。昨季のジェイソンのFSと同じグローバン氏ボーカルの音楽ですが、スケールの大きな歌声を現段階で乗りこなしているように感じます。

この最高クラスのボディコントロールにジャンプも噛み合うとマジで無敵だと思うのですが...

 

【女子シングル】

中井 亜美 67.49(1位)

3Aより2Aの方が危なっかしく見える謎現象。スケーティングが明らかに進化していて、繊細でさわやかな音楽によく合っていました。コンボスピンの難しい姿勢変更のキレがすごくて迫力があります。やっぱスピンがうまいって正義だわ。3Aに注目が行きがちなところですが、それ以外の部分の見どころもグッと感じられる内容でしたのでフリーも楽しみです。

 

高木 謡 58.30(4位)

体の使い方が大きく、エッジも深くてアピール力のある演技でした。3T+3T降りたと思ったんだけどなぁ...。惜しかった!それから、中井選手同様スピンの難しい姿勢変更のキレが素晴らしかったです。これはあくまで個人的な考えですが、柔軟性とかの面で女子の方がスピンがきれいに決まりやすいのかなと。そのうえで男子は4回転はさておき3Aはほぼ必須状態で、なかなかスピンに割くリソースが同年代の女子と比べても少ないのではないかなと感じました。

 

 

というわけでJGPSバンコクSP編でした。いやーISUファンファーレ聞くとすっげえワクワクしちゃいますね。ここからCS大会とかも含めていよいよシーズン本格化といった感じで楽しみです。