やなぎまるの日記

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100点越えのショートプログラムを語ろうぜ②

続きです。前回の記事で話した通り、複数のプログラムで100点を超えた選手については一番点の高いプログラムに絞って話しています。結果的に紹介漏れが出てしまう選手に関してはまた個別で他の100超えプロのお話もしたいなーとは思っています。

あと、念のための補足ですが100点越えというのはあくまでISU公認として扱われPBランキングに反映されているものをもとにしています。非公認、各国ナショナルなどはノーカンです。

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今回は第9位から第7位まで見てみましょう

 

 

第9位 ボーヤン・ジン(中国) 2019年ロンバルディア

曲目:First light

毎回見ていて思うんですけどジャンプであんだけ高く飛んで4回転もしてるのにあの首の角度大丈夫なんでしょうか?なんかもげそうで怖い(意味不明な心配)

結構線の細い選手ですがこの時の演技の動きはとてもスケールが大きくて、さわやかな開放感のある音楽によくマッチしていました。高さのあるジャンプもこういう音楽の演出にはもってこいですね。ステップ終盤に2連続ではねるシーンがあるんですが個人的にはそこでかなりグッときます。

次の五輪を目指すことを明言しているボーヤン選手。気持ち的には平昌五輪終了1年後あたりから何かと苦しんでいる場面も多い印象ですが、次の五輪までのシーズンに少しでも多く納得のいく演技ができるといいなと思っております。

 

 

第8位 友野 一希(日本) 2022年世界選手権

曲目:ニューシネマパラダイス

補欠からの繰上り出場が決まったのが大会1週間前。からの100点超えである。調整力完璧か?

音楽のクライマックスの情感的な雰囲気に超スピードのスケーティングがよくマッチしています。静かな曲だとスケーティングもゆったりで、となんとなく思っていたのですがむしろ速い方が雰囲気出るのかなーみたいなことを当時考えていました。

この時期はまだスピンが強化途中、という感じはありますが本人が会見にて「スケーティングに注力してきた。PCSにも反映されて嬉しい」といった趣旨の話をしていた通り、地のスケーティング面の成長が明らかでした。演技構成点でも9点出してますからね。そう簡単に出る数字じゃないですし、4回転2本の構成としては一番基礎点の低い組み合わせですので、なおのことこういったところがしっかりしてないと100点は難しいはずです。

昨季は失敗がある中でも90点前後の点数をしっかり出してこれる地力の高さの向上を見せてくれました。だからこそ105点くらいは本気でいけそうだったので失敗は悔やまれますがそこはまた来季、というところですかね。

 

 

第7位 チャ・ジュンファン(韓国) 2023年世界国別対抗戦

曲目:マイケル・ジャクソン メドレー

昨季のキングオブ4回転サルコウ

北京五輪、そしてこのシーズンの世界選手権で99点という「100でいいじゃん」みたいなスコアが出ていた彼ですが、この国別対抗戦で晴れて100点デビューです。

ジュンファンくんというとどうしても3Aに入るまでが空白っぽくなりがちですが曲の中での配置の工夫でそこをうまくカバーしています。

クリムキンイーグルの使い方もクリティカルです。ムーンウォークもそうですがそのあとの首のアイソレーションの精度の高さよ。足元のフィギュアスケート特有の動きと陸上ダンスさながらの上半身の動きの融合がとても高いレベルで実現されているのが彼の持ち味だと思います。それから振りを音にタイトに噛み合わせていく意識の高さもすごいです。特にStSq周辺の動きにそれがよく表れていると思います。

昨季ひたすら3Aが問題児でしたが世界選手権に完全にターゲットを合わせしっかりそろえて見せました。そろぼちシニア1年目以来ご無沙汰のグランプリファイナルでの活躍なんかも期待しちゃいたいです。

 

 

ということで第2回でした。次回は6位から4位までです。