やなぎまるの日記

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100点越えのショートプログラムを語ろうぜ④

続きです。

yanaglmaru.hatenablog.com

ということでいよいよトップ3です。

 

 

第3位 宇野 昌磨(日本) 2022年世界選手権

曲目:オーボエ協奏曲/チェロ協奏曲

リンク先動画の1:10あたりからの、回転しながらポーズをほどくところがすごく好き。スパイラルとかイナバウアーとかを溜めて繰り出したのにほどくときがあっさりしてるのがちょっとモヤモヤするめんどくさい人間なので、こういう振付があるだけでめちゃくちゃ印象変わります。

自己評価の厳しさに定評のある昌磨先生ですがこの時は終了直後に飛び跳ねて喜んでます。そりゃ流石にこれは認められるクオリティですよね。110点出てもいいじゃん

2022-2023シーズンのフリーにも言えることですが、曲の変化の反映がめちゃくちゃうまいですよね。前半は静謐に、伸びやかで上品に演じて後半は流れを保ったままダイナミックで切れ味のある動きで魅せてくれます。一生見れるわ。あとシンプルに衣装がいい。私は赤オーボエ好きです(大声)

 

 

第2位 羽生 結弦(日本) 2020年四大陸選手権

曲目:バラード第1番(ショパン)

2018年のルール改正前に世界記録を打ち立てたこのプログラムですが、新ルール下でも北京五輪までずっと世界記録として君臨しました。

加点ぶっ飛んでて草。満点から4.38点しかロストしてませんが逆にもうこれ以上どうしろと????

極限まで無駄をそぎ落としたプログラム。要素間の繋ぎでも音を拾いまくりますがその拾い方にあざとさがないんですよね。常に音に対する最適解の動きが来る心地よさたるや。個人的には特にサルコウからコンビネーションを挟んでフライングキャメルスピンに入るまでの流れの洗練されっぷりに感動通り越してもはや笑いが出てきます(?)

このシーズン、羽生くんはSPもFSも高度なオタ活トリビュートプログラムをその前シーズンから継続していたわけですが、最終的にSPにバラード1番、FSにSEIMEIの黄金コンビを戻してきたうえでのこの演技でした。やっぱこの2プロは象徴的なプロだなぁと感じます。あとシンプルに衣装がいい(2回目)

 

 

第1位 ネイサン・チェン(アメリカ) 2022年北京五輪個人

曲目:ラ・ボエーム

単独で4F、後半にコンビネーション、しかも4Lzを突っ込む狂気。理論上の満点は何と120点を超えます。もともとの構成の段階で頭おかしいですが加点もやばい。3Aの加点で人間アピールしても無駄です。

埃を被ったような少し古臭い感じのストリングスがいい味出して退廃感のある何とも言えない雰囲気に仕上がっています。「Quand au hasard des jours(4Lzドーン)Je m'en vais faire un tour(+3Tドーン)」。あんたが最強だよ。ここを決めてからの内から湧き上がる感情を訴えるような勢い・気迫のある動きはもう本当に圧巻でした。二―スライドでふっと落ち着く感じとかもうたまらん

最後の要素がスピンなのはほとんどの選手がそうなわけですが、特にこの演技、曲だとその説得力が凄まじいです。ポジションの構成込みで1ミリも曲を外していないです。そりゃ世界最高得点も出ますわ。

 

 

はい。ということで2018年のルール改正以降、SP100点越えを達成した歴代12名のベスト演技を振り返ってみました。実際にはこの100点に近い領域、95点台あたりにも素晴らしい演技がそろっているわけで、ここに連なる13人目以降の登場が楽しみです。それと、見ていただいたら分かる通り、110点台にまで乗せたのはこれまでに2人しかいません。そろそろ3人目を...ね?