やなぎまるの日記

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今季の好きなスケーターを語りたい②(宇野昌磨)

レポートのA4○枚とかは苦戦するのにスケートの話だと何枚も書けそうです。

 

ってなわけで前回の続き、今回は宇野昌磨選手です。

yanaglmaru.hatenablog.com

 

SP:Gravity

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ランビエールさんの振付って、「間を生かす」振付だと思うんです。動きの情報量じゃなくて、一つ一つのムーブメントに音楽と組み合わせる意図が厳格で、余韻・余白も含めて音楽にそわせないといけない。だから振付を充実にこなすのではなくて、自分で音楽への感情の乗せ方を考えて、元の振付とすり合わせていかないといけないのかなと。

 

そういった意味ではもともと昌磨くんは手数の多さではなくて動きの質の高さや深みに魅力があって、ぴったりだなと思いました。それでもさすがに初お披露目のころはステファンダダ漏れやんけ!みたいな感想も持たなかったわけではないですが(笑)

 

感情を乗せるという意味ではGPF、世界選手権の2大会が頭一つ抜けてましたね。正直、物足りないなと思う大会もありました。この2大会に共通するのは、「気持ちを込めてやるしかない」という言葉があった事。言ってしまえばすごくあいまいで本人が今季大事にしていたであろう、「練習通りに」というのとは対照的だったと思います。きっと本人はそういうのはコントロールを失いそうなのは好まないのだとは思います。だからこれはあくまでただの一ファンの戯言ですが、少し危うさを感じるくらいの、なんなら音楽に乗っ取られているかのような同調を見せる彼の方が、僕は好きなのかもしれません。

 

 

FS:G線上のアリア/Mea tormenta, properate!

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JOで見た時、1年前の同大会で見たボレロとの仕上がり具合の差に驚愕しました。昨季、1年を通して5クワドへのトライを一度も欠かすことなく通した成果ですよね。集大成のようなプログラムのボレロも、もはや通過点なのだとはっきりわかりました。

なんならさらに進化してるわけで。コレオシークエンスが長くなったのが一番の進化ですね()

前半はゆったりと流れる音楽に乗せて上質なスケーティングとジャンプ、そしてコレオ。後半は一転してアグレッシブ。でも上品。先にも言ったように動きの手数ではなく質や深みで魅せる彼だからこそできるプログラムです。世界選手権ではStSqで満点、GOE±5時代に入ってからのFSでは史上初だそうで。納得です。PCSにもいい影響ありそうですよね。4回転の多い男子では特にStSqは一息つくセクションになったりするパターンもそこそこ多いと思います。代わりにコレオで爆発させたりとかね。でも今季はそういうタイプのプログラムに対して結構ストレートに厳しい評価が下されていた印象です。特にGPFはそれがわかりやすかったです。ChSqとStSqがともに濃密で、それぞれ違う曲調を象徴的に表現する役割を担っているこの構成はとても見ごたえがあります。技術と芸術の両立という、トップスケーターには不可避の命題に例外なく彼も向き合ったわけですが、宇野昌磨というスケーターの魅力を生かしてそれを実現するのにとてもぴったりなプログラムだったと思います。

 

というわけで宇野昌磨選手について語らせていただきました。今季全戦全勝。とはいえ苦しい場面もありました。世界選手権なんて怪我までありましたからね。それでも地力の高さと、本人の言葉を借りて言えば「何一つ投げ出さない」からこその結果に違いないです。個人的ハイライトはGPFだったかな。何せ初めての優勝ですし、特にFSは本人比でもかなり良かった方の演技だと思います。

...と思っていたら当の本人はクッッッッソ辛辣な評価で草

いや、よかったやん。と思いつつも、ここで満足してはいけないという部分もあるのでしょう。来季はより表現面への取り組みに意欲を見せています。構成は下がるのでしょうかね。下げるとしてもせめて4Loは残してほしいです。めっちゃ好きなので。あと3A+1Eu+3Fね。今季一度も見れなくて寂しいです。ロスです。供給欲しいです()